クリニックの取り組み

ディスレクシア(Dyslexia)は最も頻度の高い学習障害です。知的能力や一般的な理解力等に特に異常はないのにも関わらず、文字の読み書きに著しい困難を抱える障害です。難読症、識字障害、(特異的)読字障害、読み書き障害とも訳されます。世界のすべての地域で確認され人口の3~7%に見られる、学習障害のなかで最も頻度が高い障害です。言語によっても現れ方が異なり、英語圏で頻度が高く研究も進んでいます。日本では、長い間その頻度は低いと思われ診断も対応も遅れています。注意欠如多動症や自閉症スペクトラム障害に高い頻度で合併します。


学校は基本的に勉強するところです。本来、勉強は新しい知識を得たり物事の理屈等を考えることですが、日本では勉強=字を読んで書くことが中心になってしまっていますので、ディスレクシアの子どもにとって勉強=学校は辛いところです。勉強(読み・書き)が嫌い⇒学校嫌い(不登校)になっているディスレクシアの子どもは少なくありません。


ディスレクシアの児童には、読み書きの負担をできるだけ軽減した上で、学習成果(字を書くことではありません)を上げるためにさまざまな配慮(合理的配慮)が必要です。合理的配慮の中で、最も有効な手段がICT(情報通信技術 Informational and Communication Technology)の活用です。


当クリニックでは2011年の開設以来2020.7までに521例を診断してきました。診断・対応(療育・合理的な配慮)などクリニックが取り組んできた成果を紹介します。