ディスレクシア(読字障害)は、世界のすべての地域で確認され人口の3~7%に見られる、学習障害のなかで最も頻度が高い障害です。言語によっても現れ方が異なり、英語圏で頻度が高く研究も進んでいます。日本では、長い間その頻度は低いと思われ診断も対応も遅れています。平谷こども発達クリニックではディスレクシアを重要なテーマとして実践し、2018年3月までに約350例を診断、日本においても決して稀ではなく、多くの子どもたちが単にやる気がないあるいは併存する注意欠如多動症や自閉スペクトラム症に隠され見逃されていることを報告してきました。福井県特別支援教育センターは、学校訪問を主体とした教育相談を多く行う中で、ディスレクシアの児童生徒の支援にも携わっています。当クリニックとセンターおよび学校が連携して“教育場面での合理的な配慮”が実施されるようになってきています。平仮名・カタカナ・漢字・英語と4種類の文字を扱う日本語文化圏でのディスレクシアの研究と教育は、我々の課題です。これまでの実践を報告し今後の発展を期して本セミナーを開催いたしました。