ディスレクシアセミナー in Fukui

発達性ディスレクシア児とは、読み書きに深刻な困難性を抱える子ども達のことを指します。英語圏ではおよそ10%の子ども達がこの障害を抱えているとされています。日本語はひらがな、カタカナ、漢字の三つの文字体系を有しており、その複雑性のゆえにあまり研究が進んでいません。

発達性ディスレクシアの子ども達は知的な遅れがないにもかかわらず、学校で深刻な学力遅滞を示します。極端な低学力のために自信を喪失し、不登校や問題行動などの2次障害のような状態を呈することが少なくありません。

ADHDや自閉症のような発達障害に比較して認知度が低い発達性ディスレクシアの研究の発展は喫緊の課題です。この障がいの早期発見や治療、ICTを活用した学習支援について、課題はたくさんあるのです。

当クリニックでは豊富な臨床例を基盤として積極的に研究活動を展開しています。また専門スタッフ以外に、日本を代表する発達性ディスレクシアの専門家を招聘し、年一回程度ディスレクシアセミナー in Fukui を開催しています。また2020年には、科学研究費基盤Cにおいて研究課題「発達性ディスレクシアの早期発見・併存症と多彩な症状の縦断的研究と支援法の開発」(研究代表者:平谷美智夫)が採択されました。今後一層の研究推進が期待されます。